私は33歳の公務員です。孫である私は、認知症が進む90代の祖母と隣同士で暮らしています。
この記事では、祖母との暮らしを通じて、孫である私が介護することの苦しさや認知症との付き合い方や介護サービスについて書いていきたいと思います。
祖母の介護つらい孫介護のはじまりと認知症
認知症の診断を受けたのは2020年の春頃です。会話が成り立たないことが増えてきて同じことばかり繰り返すように。
ご飯を食べたことを忘れることも頻繁に増えてきたので、病院を受診しました。
脳神経外科なので、そのまま頭のCTを撮って検査結果を待ちました。
先生からは、脳が萎縮していますね。という診断が。
認知症の進行を遅らせる薬を処方してもらい、これからはその薬を飲み続けることになります。
並行して介護認定を受けて、要支援1という結果が出ましたので、家の掃除のサービスやマッサージや昼食などのデイサービスを受けていくことになりました。
祖母の認知症が進行?自宅前に座り続ける祖母
2021年になり、認知症と付き合いながらの日々ですが、2021年7月3日土曜日に脳神経外科を受診しにいきました。
現在祖母は要支援1ですが、先週に事件があったため、ケアマネージャーさんと話をして介護認定の検査を受けることになり、その検査の為の主治医意見書を書いてもらうための受診です。
その事件とは、毎週月曜日にはデイサービスのために家の前まで病院の車が迎えに来るのですが、その日は火曜日にもかかわらず、祖母は家のまえで車を待ち続けるということをしてしまったのです。
曜日を間違えてしまうことはよくあるのですが、この日は特に暑く、朝9時から12時まで家の前に座り続けていたため、朝と昼に同じ場所を通った車の人が警察に通報してくれたそうなのです。
さらに、警察の方が説得しても病院のお迎えが来ることを疑わず家に入ることを拒んだためパトカーが3台も駆けつける大事件に。
結局、病院の方がきてくれて説得してくれたことで祖母も納得したようですが、その話を聞いたときはゾッとしました。
病院の先生からの驚きのアドバイス
今日7月3日は、その事件の説明をして認知症の進み具合を見てもらう予定です。
ただ、先生からは驚きのお話をいただきました。「デイサービスの日数を増やしてあげてください。デイサービスが楽しいんですね。」という言葉。
私は、祖母の楽しいという感情は全く考えてませんでしたが、確かに言われてみればデイサービスが楽しみだから家の前で待ち続けるわけですよね。
私は、なぜ認知症が進むのかということばかり考えていましたが、そうではなくて祖母の感情をまず優先して考えるべきだったのです。
自分の考えを改めようと思いました。
祖母の介護、認知症の進行が急に進み始める
この日を境にして祖母の認知症の進みはどんどん早くなっていきます。
孫介護といっても、私自身仕事をしていますので仕事にもどんどん影響が出てきます。
介護の経過を少しずつまとめてみました。
祖母の介護、孫介護 7月3日:転倒し顔が腫れ上がる
7月3日の午後、様子をみると顔の左目のあたりが大きく腫れ上がり目が開かない状態になっていました。
本人に聞いても、転んだ記憶は無くどうして腫れているのか分からないとのこと。
救急病院に連れて行くと、お医者さんからはおそらく自宅で転んでしまったのでしょうと言われました。
認知症もあるので、転んだ記憶もなく流血していてもそのまま放置しようとする祖母にどう対応すればいいのか、若干混乱してしまいました。
骨折はないようですし、CTの結果も問題ないとのことなので、そのまま2週間程度腫れが引くのを待って経過を観察することに。
祖母の介護、孫介護 7月5日:目から目ヤニが出ているので眼科へ
7月5日にデイサービスに行ったのですが、病院から電話がかかってきました。
目ヤニがかなりすごい状態で、左目が開かない状態だと歩行に危険なので早めに眼科に連れて行ってください。という連絡がありました。転倒した時に目の付近を傷つけてしまっているのでその影響だと思われるのですが。
仕事が終わり、すぐに眼科へ連れて行き塗り薬と軟膏をもらい帰宅。毎日朝と夜目薬と軟膏を塗らなければいけません。大変・・・
祖母の介護、孫介護 7月7日:コンビニでうどんを買い、車の中で食べる
仕事が終わり、近くのファミリーマートに祖母と二人で行き、肉ごぼう天うどんを食べました。
晩御飯にちゃんぽん屋に行こうかなと思っていると、あまり車から降りて歩くのは辛いようだったので、コンビニの駐車場でうどんを食べることに。
94歳ともなれば、料理をするのもかなり大変ですし、私自身料理が得意ではないので、外食が増えています。
祖母は何も言わないと、自分で食事をとらないことがあるので、外食に連れていくことがあります。
コンビニのうどんはとても美味しかったようで、スープまで完食していました。
祖母の一週間スケジュールと介護計画
月曜日 | デイサービス。入浴・ランチ |
火曜日 | 家の掃除のヘルパーさん訪問 |
水曜日 | ひま |
木曜日 | デイサービス。入浴・ランチ |
金曜日 | ひま |
土曜日 | 月に1回の病院があれば診察。なければランチへ |
日曜日 | 夜ご飯後に温泉へ |
※昼食・夜食は配食サービス
結構ひまな日が多いのですが、要支援1の認定を受けることで家の掃除や入浴・ランチができるようになったのはとても助かります。
ただ、デイサービスの日数を増やすには要支援2にならないと難しいみたいです。だんだんと転倒することも多くなり、認知症の進行も見られるので、介護認定の取り直しも検討中です。
7月15日:体重が1ヶ月に3キロ落ちてしまう
毎日朝と夜は声をかけて、食事をとったかどうか聞いていたのですが、ケアマネージャーさんから連絡があり、体重が落ちていることが発覚。
夜ご飯に卵かけご飯だけ食べたりして、食事の量が足りていないみたいです。
7月29日:配食サービス決定の連絡がありました
市から配食サービスの審査に通過した連絡がありました。
日数は週7日の夜食です。
ご飯の心配が無くなるので私の気持ちもだいぶ楽になります。
- 一食350円
- 朝食も希望すれば一食180円で提供される
- 祖母に必ず声かけしてくれるので、私が仕事に行っていても安心
利用料も安価なので安心です。
8月10日14時。行方不明になる
デイサービスの方から行方不明の連絡がありました。近くを探しても、家の中を見てもどこにも見当たらないとのこと。
配食サービスの方が16時頃に来られる予定だったので、取り急ぎそちらにも状況の連絡をして、私は祖母の捜索へ。
付き合いがある近所に電話をかけると、二件目で「うちに来てますよ」という返事がありました。
認知症があるものの、足腰はしっかりしているので何処へでも遊びに行ってしまいます。GPSを持たせることを検討していますが、機能などあまり知識がないので勉強が必要です。
8月26日:自宅で転倒しているところを発見
午前9時半ごろに、自宅で転倒しているところをデイサービスのお迎えの方が発見。
そのままCTを撮影しにかかりつけ病院に連れて行くと、結果は硬膜下血腫という症状でした。
7月3日に転倒した時の影響で、長期間かけて脳内に血液が溜まり歩行を困難にしていたようです。
そのまま緊急手術となり、1週間程入院することになりました。
入院セットを準備しに一旦帰宅しました。
9月3日:病院より連絡があり、転院が可能とのこと
病院より連絡があり、転院ができるそうなのでお願いしました。
今の病院では、手術から10日間程度しか入院できないらしく、家の近くの病院へ転院のお願いをしていました。
リハビリは上手くいっていて、歩行にも支障はなさそうですが、何度も転倒していることもあり、私一人では支えて行くのが辛くなって来ました。
転院して、数ヶ月入院させてもらいその間で老人ホームを探してみようと考えています。
9月10日:転院の手続きのため病院へ
転院先が決まったため、新しい病院へ移動します。
新しいところも何ヶ月居れるのか不明なので、なるべく早くホームを探す必要があります。
11月4日:老人ホームへ入所
入院生活のうちに、ホームへの入所手続きを検討しようと思いましたので、色々と老人ホームを調べてみました。
そして、家からも近く私の職場からも行きやすい老人ホームに入所を決めました。
介護については色々な考えがあると思いますが、私の場合は一人で祖母を支えることは不可能でした。批判の声もあるかもしれませんが、お互いにとって最善の選択をしたと考えています。
祖母自身も受け入れてくれて、ホームでの生活を楽しんでいると思っています。
祖母の介護入院の時に準備するもの
祖母が入院した時の経験を活かして、入院の時に準備するものをまとめてみました。
次回の入院の時(そんなこと考えたくないですが・・)の時に見直せるように、記録に残したいと思います。
- 着替え
- バスタオルとハンドタオル
- 歯ブラシ
- 総入れ歯用スポンジ歯ブラシ
- 血圧の薬
- お茶(2L)と紙コップ
- 割り箸
- 柄が長く先が小さいスプーン(少量ずつ口に運ぶ必要があるため)
- 歩きやすい靴(スリッポン)
- ラジオ
- イヤホン(コードが長いもの3m程が望ましい)
- ティッシュ
- ウエットティッシュ
- ボディーソープ・シャンプー
- 保湿乳液(院内は乾燥するため)
- 眼鏡(老眼鏡)
- 保険証
この中で一番忘れそうなものはラジオとイヤホンです。
ラジオは暇つぶしのためですが、イヤホンは備え付けのテレビを見るために必要になります。病院で買うと400円と高額なので持って行くようにしています。
ちなみに、現金は本人が管理できないという理由で断られました。
入院の時に現金を使うのは基本的にテレビカード購入の時だけなので、何枚か買って看護師の方に渡しました。
総入れ歯用スポンジ歯ブラシてどんなもの?
介護入院の時に準備するもののなかに入れ歯用スポンジブラシがあります。
これは入れ歯の方が歯茎を磨くためのブラシで、ドラッグストアなどで購入することができます。
毎日の歯磨きなので必ず準備するようにしましょう。
翌日の27日には市役所へ行って、高額医療費について説明を受けてきました。医療費が高額になる場合には、限度額認定証を事前に発行しておくことで、限度額の範囲で医療費を抑えることができる仕組みです。
祖母の認知症介護認定の種類について
ちなみに、介護認定には要支援から要介護までいくつかあります。
老人ホームへの入所は要介護1からとなっていますので、先々老人ホームへの入所を考えているなら、要介護の認定をとっておくべきでしょう。
いざ、認知症が進んでしまいどうしようもなくなった段階で要介護認定を取ろうとしても、認定審査完了までは、それなりの時間がかかりますので、早めに認定を受けておくことが大切です。
介護認定要支援1で出来ることは?
要支援1の認定を受けて、私がまずはじめにしたことは手すりの設置と訪問サービスです。
要支援1になると、生活に必要な介護用品の購入や設置に補助金が出ます。
手すりの設置ができる
要支援1の場合、年間20万円までを上限に、手すりの設置に必要な費用を補助していただけるので、早速家の周りと家の中の水まわりに手すりを設置しました。
特にお風呂やトイレは滑って転んでしまっては危険なので、念入りに打ち合わせして手すりを設置しました。
今まではお風呂の浴槽に浸かるのも、出るのもかなり時間がかかっていた祖母ですが、手すりをつけてからはかなり楽に出入りが出来るようになったみたいです。
祖母の介護中の「死にたい」という言葉に私も死にたい・・
94歳の祖母は、毎朝「死にたい」「天国に行きたい」と言います。
最初聞いた時は、33歳の私からすれば、生きていくのが辛いほど身体がキツいのか、周りに迷惑をかけるのが申し訳ないのか。
そんなことを想像してしまい、「何でそんなことを言うのか!こっちが死にたくなるわ!」と思って、喧嘩することも度々ありました。
ですが、祖母と暮らし始めてから4年になると、祖母の「死にたい」は「生きたい」に聞こえてきます。
変なこと言うな、と思われるかもしれませんが相手の心理状態を考えてみると少し納得がいくかもしれません。
祖母の介護中、孫の私に「死にたい」はどんな時に言うのか?
祖母が「死にたい」を言う時は、例えば朝血圧の薬を飲ませている時。94歳となると、自分で決まった時間に薬を飲むことが難しくなります。
その薬を飲む時に、「面倒をかけるね。早く天国に行ったほうがいいね。死にたい」と言われることが多々あります。
毎日毎日そのセリフを聞いていると、「死にたい」と言うときは誰かに世話になったりしているときのお礼の言葉のように聞こえてきます。早く天国に行きたいとか死にたいと言うセリフは、本人のとっては毎日の挨拶程度のつもりのようです。
実際に、祖母に聞いて見たらデイサービスの病院での雑談では高齢者同士がいつ天国にいけるだろう。迷惑かけずに死にたいと言う話ばかりしているそうです。
祖母の死にたい。は「生きたい」
祖母本人に、死にたいと言うタイミングについて聞いてみました。それは、ご飯を一緒に食べている時や子供と遊んでいる時、自分の世話をしてもらっている時です。その時本人はとても楽しく、しかし素直に楽しいと言えないようなのです。
その代わりに、早く迷惑かけないように「天国へ行きたい」という趣旨の言葉を言ってしまうそうなのです。
なんだか天邪鬼のような・・・。本当に死にたいときは「死なせてくれ」と言うはずです。
その話を聞いてから、祖母の発する「死にたい」は「楽しい」「生きたい」と思えるようになりました。
無理な解釈なのかもしれませんが・・・。
祖母の介護中、孫の私に「死にたい」と言われたら笑い飛ばす
私は、祖母に死にたいと言われたら、もう笑い飛ばすようにしています。
真剣に言葉を受け取ってしまってはこちらの気持ちが持たないです。
私は、「いつか死ぬよ♪」と言って流すようにしています。
祖母の介護、孫介護のまとめ
- 認知症祖母の孫介護はかなりしんどい
- 介護認定を受けることで、室内などに手すりの設置が可能になるため、転倒防止のために積極的に活用をするべし
- 食事が取れない場合は1食350円の配食サービスの利用で栄養をしっかりとってもらう。見守りサービスの意味もあるのでより安心
- よく「死にたい」と言われるが、全部無視して流してしまうこと。心が持たない。